生成AIとExcelで未入金管理表を作る方法|請求データの入力から督促対象の確認まで
Excelで未入金管理表を組み直すとき、残額をどの列とどの列の差で出すかは迷いやすいですよね。 請求データはそろっているのに、入金済みと未入金が混ざり、督促すべき相手をその場で言えない。生成AIに何を渡し、Excelにどの列と数式を持たせ、最後に人がどこを見るか。この順番で決めると、表は一度で動きます。テンプレートとして使える完成例、督促メールの文面、送信前の確認項目までまとめました。
未入金管理表は、請求番号・取引先に「請求日・支払期限・請求金額・入金額合計・残額・経過日数・督促段階」の7系統と、連絡を記録するK列の最終連絡日・L列の備考を足した形で回ります。
- 生成AIへは、実在の取引先名を伏せた合成データと、列名・判定ルールを文章で渡す。
- Excel側の要は残額と経過日数の2列。ここが出れば督促対象は自動で絞れます。
- 人が確認するのは、合計・日付・条件式の3点。
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未入金管理表をAIで作るときの前提整理
目的は「督促対象を毎週言えること」
たとえば「請求済み・一部入金・全額入金」の3状態しか持たない表だと、期限超過が何日かは分かりません。そこで経過日数の列を1つ足します。これだけで、督促の優先順位が並べ替えだけで決まる。更新は週1回でかまいません。週のはじめに入金記録を貼り替え、督促段階の列で並べ替えれば、その週に連絡する相手が上に並びます。
準備するもの
- 請求明細: 請求番号、請求日、取引先、請求金額(税込)、支払期限
- 入金記録: 入金日、入金額、振込名義(請求先と違う場合あり)
- 運用メモ: 締め日、支払サイクル、担当者、督促の連絡手段
生成AIに渡してよい情報の線引き
実在の取引先名、担当者名、口座情報は生成AIへ渡さず、置き換えた合成データで設計だけを作らせます。表の構造や数式は、固有名詞がなくても組めます。名前を伏せても精度は落ちません。
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生成AIに渡す入力と、返ってきた設計の受け取り方
生成AIへは、合成データ・作りたい判定・出力形式の3点を文章で渡します。この3点がそろうと、列構成と数式が一度でまとまった形で返ってくる。「未入金管理表を作って」だけでは汎用的な一覧が返り、手直しが増えるだけです。判定と出力形式は、列名・日付の基準・部分入金の扱い・督促段階の区切りの4項目まで具体的に書きます。
指示に書き込む4項目
実際の指示文は次のような形。合成データは5行で足ります。完了(全額入金)・期限前・期限超過14日以内・期限超過15〜30日・期限超過31日以上を1行ずつ入れ、そのうち2行は部分入金にしておくと、判定の穴が早く見つかる。基準日を前提に書いておかないと、どの行が期限前でどの行が期限超過かをAIが決められません。
【依頼】 下記の請求データをもとに、Excelの未入金管理表の列構成と数式を作ってください。 【前提】 ・取引先名は仮名です。実在の企業ではありません。 ・基準日は 2026/09/25 とし、セルJ1に手入力します。 ・部分入金があるため、残額で未入金を判定します。 【必要な判定】 1. 残額 = 請求金額 - 入金額合計 2. 経過日数 = 基準日 - 支払期限(マイナスは期限前) 3. 督促段階 = 残額0なら「完了」、経過0日以下なら「期限前」、 1〜14日は「一次連絡」、15〜30日は「再連絡」、31日以上は「要相談」 【サンプルデータ】 請求番号,請求日,支払期限,取引先,請求金額,入金額合計 INV-001,2026/06/30,2026/07/31,A商事,132000,132000 INV-002,2026/08/20,2026/08/20,B工業,88000,0 INV-003,2026/08/31,2026/09/15,C設計,275000,150000 INV-004,2026/09/10,2026/10/10,D物産,49500,0 INV-005,2026/07/31,2026/09/05,E商会,66000,30000 【出力形式】 ・列名の一覧(表形式) ・各計算列のExcel数式(2行目を例に) ・条件付き書式の設定条件
基準日2026/09/25で読むと、INV-001が完了、INV-002が経過36日で要相談、INV-003が経過10日で一次連絡、INV-004が期限前、INV-005が経過20日で再連絡。督促段階の5区分が1行ずつ並び、INV-003とINV-005は部分入金の行でもあります。
列構成の完成例
| 列 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|
| A 請求番号 | 入力 | 請求書側の番号をそのまま転記 |
| B 請求日 | 入力 | 日付形式で統一。文字列だと計算できません |
| C 支払期限 | 入力 | 日付形式で統一。経過日数の計算元 |
| D 取引先 | 入力 | 請求先名。振込名義が違う場合はL列の備考へ |
| E 請求金額 | 入力 | 税込の総額 |
| F 入金額合計 | 入力 | 複数回入金は合算し、明細は別シートへ |
| G 残額 | 計算 | =E2-F2 の形。0なら回収済み |
| H 経過日数 | 計算 | =$J$1-C2。マイナスは期限前 |
| I 督促段階 | 計算 | I2は =IFS(G2=0,”完了”,H2<=0,”期限前”,H2<=14,”一次連絡”,H2<=30,”再連絡”,TRUE,”要相談”)。残額の判定が先頭 |
| J 基準日 | 基準値 | データ行には使いません。J1へ基準日を1つだけ入力 |
| K 最終連絡日/L 備考 | 入力 | いつ誰に何を伝えたかを1行で |
条件付き書式は1つだけ設定します。適用範囲を A2:L200 とし、ルールの数式に =$I2=”要相談” を入れて行全体へ色を付けてください。督促段階が「要相談」の行だけ塗られていれば、設定は正しく入っています。
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コピペで使える督促連絡の文面テンプレート
一次連絡(期限から1〜14日)
この段階は行き違いの可能性が高いので、確認のトーンで送ります。文面は3ブロックです。入金確認が取れていない事実、入金予定日の返信依頼、請求書再送という次の行動。以降のテンプレートもこの順番で並べます。督促段階の列で対象を絞り、文面を送り、K列とL列に記録する。ここまでが未入金管理表の1周です。
件名: 【ご確認】請求書No.{{請求番号}} 入金状況のご確認
{{会社名}} {{部署名}}
{{担当者名}} 様
いつもお世話になっております。{{自社名}}の{{自分の名前}}です。
{{請求日}}付でお送りした請求書No.{{請求番号}}(金額 {{請求金額}}円、
お支払期限 {{支払期限}})につきまして、本日時点で入金の確認が
取れておりません。
行き違いでお手続き済みでしたら、本メールはご放念ください。
まだの場合は、お手数ですが入金予定日をご返信いただけますと助かります。
請求書の再送が必要でしたら、その旨お知らせください。
{{署名}}
▼差し替え項目
{{会社名}} {{部署名}} {{担当者名}} {{自社名}} {{自分の名前}}
{{請求日}} {{請求番号}} {{請求金額}} {{支払期限}} {{署名}}
※{{自社名}}{{自分の名前}}{{署名}}は初回だけ設定すれば以降は固定で使えます。
再連絡(期限から15〜30日)
一度連絡している前提なので、経緯を1行入れます。ここで初めて「いつまでに」という期日を具体的に置きます。
件名: 【再ご連絡】請求書No.{{請求番号}} お支払いについて
{{会社名}} {{担当者名}} 様
お世話になっております。{{自社名}}の{{自分の名前}}です。
{{前回連絡日}}にご連絡いたしました請求書No.{{請求番号}}
(金額 {{請求金額}}円、お支払期限 {{支払期限}})について、
本日時点で入金の確認が取れておりません。
社内での経理処理の都合がございますので、{{回答希望日}}までに
入金予定日をお知らせいただけますでしょうか。
ご事情がある場合は、分割や期日変更のご相談も承ります。
{{署名}}
▼差し替え項目
{{会社名}} {{担当者名}} {{自社名}} {{自分の名前}} {{前回連絡日}}
{{請求番号}} {{請求金額}} {{支払期限}} {{回答希望日}} {{署名}}
部分入金があったとき
残額だけを扱う文面です。入金済み分への御礼を先に置くと、角が立ちません。
件名: 【ご確認】請求書No.{{請求番号}} 残額のご確認
{{会社名}} {{担当者名}} 様
お世話になっております。{{自社名}}の{{自分の名前}}です。
{{入金日}}に {{入金額}}円のご入金を確認いたしました。
ありがとうございます。
請求書No.{{請求番号}}の総額 {{請求金額}}円に対し、
残額が {{残額}}円となっております。
分割でのお支払い予定でしたら、残額分の入金予定日をお知らせください。
当方の確認漏れでしたら、恐れ入りますが明細をご教示ください。
{{署名}}
▼差し替え項目
{{会社名}} {{担当者名}} {{自社名}} {{自分の名前}} {{入金日}}
{{入金額}} {{請求番号}} {{請求金額}} {{残額}} {{署名}}
送信の前後に確認する4点
- 送信前: 金額と請求番号を管理表の行と目で突き合わせる
- 送信前: 宛先が請求書の送付先と同じか確認する
- 送信前: 支払期限の日付が表と文面で一致しているか見る
- 送信後: 管理表のK列の最終連絡日とL列の備考へ、その日のうちに記録する
要相談(31日以上)
31日以上たった相手には、定型文を送りません。社内の誰に共有してから連絡するか、電話に切り替えるかを先に決めます。文面をそろえるより、判断する人を決めるほうが先です。
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人が最終確認する3つの箇所
合計額の突き合わせ
管理表の請求金額合計と、会計ソフトや請求書控えの合計を比べます。1円でも差があれば、行の抜けか二重計上を疑ってください。
日付が文字列になっていないか
CSVから貼り付けた日付は、文字列のまま入ることがあります。文字列だと経過日数の計算が空振りし、督促対象から静かに消えます。これがいちばん見つけにくい失敗。
確認はセルの表示位置で足ります。日付として認識されていれば右寄せ、文字列なら左寄せ。B列とC列に左寄せが混じっていたら、区切り位置や日付形式の設定で入れ直してください。
条件式の境界を1回だけ試す
経過日数の境界は、実際に数値を入れて動かすのが確実です。表の最下部にテスト行を5本置き、経過日数が-3日・0日・14日・15日・40日になるよう支払期限を入力します。経過日数はJ1の基準日から支払期限を引いた値です。そのため支払期限には、順に基準日の3日後・当日・14日前・15日前・40日前を入力します。5行とも請求金額は10000円とします。入金額合計は、最初の4行を0(残額10000)、最後の40日前の行だけ10000(残額0)にします。確認が終わったらテスト行は削除。
| テスト値 | 期待する督促段階 | ずれやすい原因 |
|---|---|---|
| 経過 -3日 | 期限前 | マイナス判定の抜け |
| 経過 0日 | 期限前 | 当日を超過扱いにしている |
| 経過 14日 | 一次連絡 | 以上・超えるの取り違え |
| 経過 15日 | 再連絡 | 同上 |
| 残額 0・経過 40日 | 完了 | 残額判定より日数判定が先に来ている |
表の最終行、残額0で経過40日のテスト値がいちばん大事です。入金済みなのに「要相談」と表示される表は、督促リストとして使えません。残額の判定を条件の先頭に置くと防げます。
つまずきやすい場面と対処
振込名義が請求先と違う
入金記録の名義と請求先名が一致しないと、どの請求への入金かを突き合わせる作業(消し込み)で手が止まります。親会社名義での振込や、代表者名義での入金はよくある形。対処は、L列の備考に「振込名義◯◯=請求先△△」の形で対応関係を1行残すことです。次に同じ相手から入金があったとき、検索で一発でたどり着けます。
更新が止まる
担当者しか手順を知らない状態だと、その人が休んだ週に更新が飛びます。別シートに、更新手順を3行だけ書き残してください。どこからデータを取り、どの列に貼り、何を確認するか。それだけで代わりの人が動けます。
AIが数式を毎回違う形で返す
同じ依頼をしても、生成AIが返す数式は毎回少しずつ違います。作り直すたびに検算が必要になるので、一度動いた数式は手元にメモとして保存。次回はその数式を提示し、「この形を維持したまま列を1つ追加して」と頼みます。ゼロから作らせ直すより、ずっと安定する。メモには数式と一緒に、直した日付も1行書き足してください。どの版を渡しているかが分かるので、書類のバージョン管理と同じ発想です。詳しくは「どれが最新版?」を二度と言わせない、書類のバージョン管理術でも整理しています。
まとめ
未入金管理表は、7系統のうち計算列の残額と経過日数が出れば動き始めます。生成AIには仮名の合成データと判定ルールを渡し、返ってきた列構成と数式を境界値で試す。合計額、日付の形式、条件の順番。この3点を人が見れば、表として信頼できます。
- 列は入力と計算を分け、貼り付けで数式を壊さない形にする
- 残額の判定を条件の先頭に置き、入金済みを督促対象に残さない
- 督促文面は事実・依頼・次の行動の3ブロックで固定する
- 一度動いた数式は保存し、次回はそれを起点に直す
次に確認すること
まずは手元の請求データを5行取り出し、仮名に置き換えて生成AIに渡してみてください。列構成が返ってきたら、経過日数が0日と15日の行で段階名を確かめます。今週連絡すべき相手が1人でも表から拾えたら、テンプレートの一次連絡がそのまま使えるはず。送った日付をK列の最終連絡日に、伝えた内容をL列の備考に書き足すところまでが、この表の1周です。
更新の担当や頻度のように、運用の決めごとを社内で固めたい場合は、経費精算ルールが曖昧だと損する。最初に決める5つの基準の考え方も参考になります。
Q&A
この記事はどんな場面で使えばよいですか?
生成AIとExcelで未入金管理表を作る方法|請求データの入力から督促対象の確認までについて、実務で判断に迷ったときの確認用として使えます。細かな条件は会社ごとに違うため、記事内の判断軸を自社ルールに合わせて見直してください。
テンプレート化するときに先に見る点は何ですか?
最初に、誰が見ても同じ順番で確認できる項目をそろえます。宛名、日付、対象、金額、担当者、保存先などを固定しておくと、差し戻しや確認待ちを減らしやすくなります。
法律や税務の判断までこの記事だけで足りますか?
この記事は実務整理のための基本解説です。制度の適用可否や税務処理など、判断に迷う部分は公的情報や専門家の確認とあわせて進めてください。
著者
塩野谷 拓
2nd CORE代表。建設会社で7年間、総務・経理を中心とするバックオフィス実務を経験し、2022年に独立。
現在はフリーランスとして、一人社長・個人事業主を中心に、事務・経理代行、バックオフィス業務改善、Web制作を支援しています。現場で培った経験をもとに、実務で役立つバックオフィスの整え方を発信。
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