会員登録不要の高品質書式テンプレートサイト

「請求書って何を書けばいい?」初めてでも迷わない必須項目と作り方の基本

「請求書って何を書けばいい?」初めてでも迷わない必須項目と作り方の基本

請求書を初めて作るとき、何を書けば足りるのか迷いますよね。 空欄のテンプレートを開いたまま、宛名の書き方や日付の意味で手が止まる。そんな場面は珍しくありません。請求書は「相手に支払いをお願いする書類」なので、書くべき内容はだいたい決まっています。なお、この記事で言う差し戻しとは、記載を直してほしいと相手から言われ、請求書が戻ってくることです。初めてでも迷わない必須項目の中身、書く順番、差し戻しが起きやすい欄、そのまま使える送付文面までを一度に整理します。読み終えたら、手元のテンプレートの空欄を上から埋めていける状態になります。

請求書に書くのは、発行者、宛名、発行日、取引内容、金額(消費税を含む)、振込先、支払期限、登録番号の8つが基本です。書く順番と差し戻しが起きやすい欄を押さえれば、上から順に埋められます。

  • 書く順番は「取引内容を確定 → 金額を計算 → 日付と期限を入れる → 宛名と振込先を確認」が迷いにくいです。
  • 差し戻しが起きやすいのは、宛名と対象期間の欄、振込手数料を書く備考欄、確認依頼を書く一文の3箇所です。
  • 国税庁の案内では、インボイス制度の登録番号や税率ごとの区分記載が求められる書類もあります。自分がインボイス発行事業者として登録しているかどうかを先に確認しておくと安心です。
  • 送付メールは件名・宛名・本文を型で持っておくと、毎回書き直す手間が減ります。

請求書に書く必須項目8つの全体像

請求書に書く項目の基本整理

請求書は、書類名から考えるのではなく「誰が誰に出すのか、何の代金か、いつ出していつまでに払ってほしいか、どこへどう払うか」を埋める書類だと考えると迷いにくくなります。8項目は、誰が誰に出すのか(発行者・宛名)、何の代金か(取引内容・金額)、いつ出していつまでに払ってほしいか(発行日・支払期限)、どこへどう払うか(振込先・登録番号)の4組に分けられます。1組ずつ2項目を埋めていくと、書き漏らしに気づきやすくなります。

まず、必須項目を一覧で押さえます。細かいレイアウトはテンプレート次第ですが、入る情報自体はどの様式でもほぼ共通です。

項目書く内容よくある迷い
発行者情報屋号または会社名、住所、連絡先個人名と屋号のどちらを出すか
宛名相手の正式名称と敬称「御中」と「様」の使い分け
発行日請求書を出す日作業完了日と同じにするか
取引内容品目、数量、単価、対象期間まとめて1行にしてよいか
金額小計、消費税、合計税込表示か税抜表示か
振込先銀行名、支店名、口座種別、番号、名義名義のカナ表記
支払期限相手に入金してほしい日自分で決めてよいのか
登録番号インボイス発行事業者の登録番号自分に番号があるか不明

発行者と宛名は「正式名称」で合わせる

発行者と宛名は、相手が社内で検索・照合する手がかりになります。判断軸は「相手の帳簿や契約書に載っている表記と一致するか」です。屋号で契約したなら屋号、個人名で契約したなら個人名を主にします。

たとえば契約書が「株式会社サンプル工業」なのに請求書が「サンプル工業」だと、相手の担当者が確認に動く手間が増えます。宛名は会社や部署あてなら「御中」、個人あてなら「様」を使います。両方を重ねて「御中様」にはしません。

発行日と支払期限は役割が別

日付欄で止まる人が多いのは、2つの日付が別の意味を持っているからです。発行日は「この請求書を出した日」、支払期限は「入金してほしい日」です。

相手に締め日がある場合、発行日をその締め日に合わせると処理が通りやすくなります。月末締め翌月末払いなら、発行日を月末、支払期限を翌月末にするのが一般的です。締め日がない相手なら、作業が完了した日を発行日にして差し支えありません。

では、支払期限は自分で決めてよいのでしょうか。答えは「原則として自分だけでは決めない」です。支払期限は契約や相手の支払サイト(締め日から入金日までの社内ルール)に合わせるのが基本で、こちらの希望だけで短くしないほうが揉めにくいです。契約書に支払日の記載がなければ、相手の経理に一度確認しておくと安心です。

取引内容は「相手が思い出せる粒度」で書く

品目の書き方は、相手が何の代金か即座に判断できるかで決めます。「業務委託料 一式」だけだと、相手の担当者が発注内容と突き合わせられず、確認の連絡が来ます。

対象期間や成果物名を添えるのが実務的です。たとえば「ウェブサイト更新作業(2026年9月分)」「商品A 納品分 50個」のように書きます。発注書や見積書があるなら、その番号を備考に入れておくと照合が早く済みます。

請求書の必須項目|消費税とインボイス登録番号

金額欄は、小計、消費税、合計の3段に分けると読み間違いが減ります。税込表示か税抜表示かで迷ったら、税抜の小計を出したうえで消費税額と税込合計を並べる形にすると、相手がどちらの金額を必要としても読み取れます。税率が混ざる取引では、税率ごとに分けて書く形が求められます。

適格請求書とは、買い手が消費税の仕入税額控除を受けるために必要な記載がそろった請求書のことです。国税庁の案内では、適格請求書として扱われる書類には登録番号や税率ごとの区分記載などの記載事項が定められています。自分が登録事業者なら適格請求書の形で書き、登録がなければ通常の請求書で出す、という対応になります。書く内容が変わるため、登録の有無を先に確認しておくと安心です。

登録しているかどうかは、税務署から届いた登録通知書に記載された「T」で始まる13桁の番号で確認できます。通知書が見当たらない場合は、顧問税理士または所轄の税務署に問い合わせると確認できます。番号がない場合でも請求書そのものは出せます。相手の経理処理が変わるだけなので、不明なら「登録なし」の前提で相談しておくと後の修正が減ります。

発行日と支払期限の役割の違いを示す図

コピペで使える請求書送付の文面テンプレート

請求書本体ができても、送るときの一文で手が止まることがあります。ここでは差し替え式の文面を3件置きます。角括弧の部分を自分の案件に書き換えて使ってください。

初回請求の送付メール

件名:請求書送付のご案内([対象月]分)

[相手先会社名] [部署名] [担当者名] 様

お世話になっております。[自分の屋号または氏名]です。
[対象月]分の請求書をお送りします。添付ファイルをご確認ください。

・請求金額:[合計金額]円(税込)
・お支払期限:[西暦年]年[月]月[日]日
・振込先:[銀行名][支店名] [口座種別] [口座番号] [口座名義]

ご不明な点や、宛名・項目の修正が必要な場合はお知らせください。
どうぞよろしくお願いします。

請求内容を事前に確認してもらう文面

件名:請求内容のご確認のお願い([案件名])

[相手先会社名] [担当者名] 様

お世話になっております。[自分の屋号または氏名]です。
[案件名]について、請求内容の案をお送りします。

・対象期間:[開始日]〜[終了日]
・作業内容:[品目名]
・金額(税抜):[金額]円

宛名の表記や項目の分け方で、貴社の様式に合わせたい点があればご指示ください。
確認後、正式な請求書をお送りします。

記載内容を修正して再送する文面

件名:請求書再送のご案内([対象月]分・修正版)

[相手先会社名] [担当者名] 様

お世話になっております。[自分の屋号または氏名]です。
[対象月]分の請求書について、[修正した項目]を修正した版をお送りします。

・修正箇所:[修正前]→[修正後]
・その他の項目:変更ありません

先にお送りした分は破棄していただけますと助かります。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

送信前の確認ポイント

  • 添付ファイルが最新版か、ファイル名に対象月が入っているか
  • メール本文の金額と、添付の合計金額が一致しているか
  • 宛名の会社名・担当者名が正式表記か
  • 振込先の口座名義のカナが通帳と同じか

請求書の記入順を4ステップで示す手順図

差し戻しが起きやすい欄の見分け方

差し戻しが起きやすいのは、宛名と対象期間の欄、振込手数料を書く備考欄、確認依頼を書く一文の3箇所です。以下では、この3箇所を順に取り上げ、ズレが起きる理由と直し方をそれぞれ示します。

宛名と対象期間がずれたまま出てしまう

一番多いのが、宛名や対象期間のズレです。前月分のファイルをコピーして使うと、宛名は合っているのに対象月だけ古いまま残ることがあります。

対処はシンプルです。コピーした直後に、日付が入る欄だけを先にまとめて書き換えます。発行日、対象期間、支払期限の3箇所を最初に直してから、金額に進みます。この3箇所は、後回しにすると修正漏れが残りやすい欄です。

備考欄|振込手数料をどちらが負担するか書いていない

振込手数料をどちら側が負担するかは、書いていないと相手の判断にゆだねられます。入金額が数百円足りず、照合に時間を取られるのはよくある話です。

備考欄に一文入れておくのが手早い対策です。「恐れ入りますが、振込手数料はご負担をお願いします」または「振込手数料は当方負担とします」のどちらかを、契約内容に合わせて置きます。

なお、請求の単位(出来高か一括か)によって書き方が変わる業種もあります。建設業の場合は建設業の請求書、出来高・一括で何が違う?書き方の基本が参考になります。

確認してほしい欄を伝えていない

送ったあと「これで大丈夫ですか」とだけ聞くと、相手も何を見ればいいか分かりません。どこを見てほしいか示さないと、相手は全体を見直すことになり、宛名も対象期間もまとめて修正依頼が返ってきます。結果として請求書が差し戻され、入金も遅れます。

見てほしい欄を名前で挙げて一文添えると動きが早くなります。たとえば「宛名の表記と対象期間の2つの欄だけご確認ください」と書く形です。欄を絞ると相手の負担が小さくなり、返信も具体的になります。

宛名・対象期間・振込手数料の確認チェック


請求書の作り方と送るまでの順番

作成は、準備、記入、確認、送付の4つに分けると、初めてでも上から順に進められます。送付の文面は「コピペで使える請求書送付の文面テンプレート」の3件をそのまま使えるので、ここでは準備から確認までを順に見ていきます。何を書けばいいか分からなくなるのは、だいたい準備物が足りていないときです。

請求書を書く前にそろえる準備物

先に手元に置くのは、契約書または発注書、作業記録や納品記録、自分の口座情報、相手の正式名称と送付先です。インボイス発行事業者の登録番号がある場合は、それも控えておきます。

契約書と作業記録、口座情報、相手の正式名称がそろっていないと、作成途中で手が止まります。とくに相手の正式名称と担当部署は、過去のメール署名から拾えることが多いので先に確認しておくと楽です。

請求書の記入順と完成例

記入は「取引内容 → 金額 → 日付 → 宛名と振込先」の順がおすすめです。金額が決まらないと支払期限の交渉もできないので、中身を先に固めます。

完成例として、9月分のウェブサイト更新作業を税抜5万円で請求する場合を考えます。品目欄に「ウェブサイト更新作業(2026年9月分)」、数量1、単価50,000円、小計50,000円、消費税5,000円、合計55,000円。発行日を2026年9月30日、支払期限を2026年10月31日とし、備考に「振込手数料はご負担をお願いします」と入れる形です。これで必須項目はひととおり埋まります。

完了の確認基準と保存のルール

必須の8項目のうち、発行日と支払期限を1行にまとめた次の7項目で確認します。金額欄は、小計・消費税・合計の計算が合っているかをまとめて見ます。空欄がひとつでも残っていたら未完成と見ます。

  • 発行者名と連絡先が入っている
  • 宛名が正式名称+敬称になっている
  • 発行日と支払期限が両方入り、順序が逆になっていない
  • 取引内容に対象期間または成果物名がある
  • 小計・消費税・合計の計算が合っている
  • 振込先の名義が通帳と同じ表記
  • 必要なら登録番号が入っている

保存は「請求書/年度/相手先名」のようにフォルダを決め、ファイル名に対象月と連番を入れます。「20260930_株式会社サンプル工業_請求書_001」のような形です。修正版を出したときは古いファイルを消さず、名前の末尾に「_修正版」を付けて残しておくと、後から経緯を追えます。

最後が送付です。保存したファイルをPDFにして、「初回請求の送付メール」の文面に添付し、担当者あてに送ります。経理あてのアドレスを指定されている場合は、そちらも宛先に加えます。

まとめ

請求書は、発行者、宛名、発行日、取引内容、金額(消費税を含む)、振込先、支払期限、登録番号の8項目を埋める書類です。記入は取引内容、金額、日付、宛名と振込先の順に進めると、途中で手が止まりにくくなります。差し戻しが起きやすいのは、宛名と対象期間の欄、振込手数料を書く備考欄、確認依頼を書く一文の3箇所です。見てほしい欄を名前で挙げて一文添えるだけでも、やりとりの往復は減ります。

次に確認すること

まずは手元のテンプレートを開き、発行者、宛名、発行日、取引内容、金額(消費税を含む)、振込先、支払期限、登録番号の8項目のうち、欄そのものがない箇所を探してみてください。足りない欄が見つかったら、その欄を追加して自分用の雛形として保存します。欄がそろったら、「完了の確認基準と保存のルール」の7項目で記入漏れを確認します。8項目は「必要な欄がそろっているか」、7項目は「記入が終わっているか」を見る基準です。

次に、振込手数料の一文を備考欄に入れるかどうかを決めます。契約書に記載があればそれに従い、何も書かれていなければ相手に一度確認しておくと、入金の照合で悩まなくなります。最後に、送付メールの文面を1件だけ下書き保存しておくと、翌月からの作業がぐっと軽くなります。


Q&A

契約書に支払期限が書かれていないとき、記事の完成例のように「月末発行・翌月末払い」で出してしまってよいですか?

記事では支払期限は原則として自分だけでは決めず、契約や相手の支払サイトに合わせるのが基本だと説明しています。契約書に支払日の記載がない場合は、相手の経理に一度確認してから期限を入れてください。月末締め翌月末払いは一般的な例として挙げたもので、確認せずにそのまま当てはめる前提ではありません。

インボイスの登録番号が自分にあるか分からない状態でも、請求書を出して問題ないですか?

番号がない場合でも請求書そのものは出せます。登録しているかどうかは税務署から届いた登録通知書の「T」で始まる13桁の番号で確認でき、通知書が見当たらなければ顧問税理士か所轄の税務署に問い合わせて確認できます。不明なまま進めるなら「登録なし」の前提で相手に相談しておくと、後の修正が減ります。

確認してもらう欄を絞ると、他の欄の間違いを見落とされないか心配です。

記事では、見てほしい欄を名前で挙げないと相手が全体を見直すことになり、宛名も対象期間もまとめて修正依頼が返ってくると説明しています。欄を絞るのは相手の負担を小さくして返信を具体的にするためで、自分側の確認を省くという意味ではありません。送付前に「完了の確認基準と保存のルール」の7項目で記入漏れを見てから、確認依頼の一文を添えてください。

著者

塩野谷 拓

2nd CORE代表。建設会社で7年間、総務・経理を中心とするバックオフィス実務を経験し、2022年に独立。

現在はフリーランスとして、一人社長・個人事業主を中心に、事務・経理代行、バックオフィス業務改善、Web制作を支援しています。現場で培った経験をもとに、実務で役立つバックオフィスの整え方を発信。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA