2024年(令和6年)6月から納税者を対象とした所得税3万円、個人住民税1万円の特別控除(定額減税)が実施されます。
住民税の減税は、各自治体が差し引いてくれるので特に何もする必要はないです。
しかし、所得税については令和6年6月以降支給の給与やボーナスから、従業員1人1人について減税処理していく必要があります。
そのため、定額減税の管理に便利な定額減税管理表のテンプレートを公開したいと思います。
Excel(エクセル)が苦手な初心者の人でも、簡単に入力ができるように、入力する所は最低限になるように関数を入れて作りました。
解説を読んで頂ければ、基本的には作成できると思います。
また、このページでは「定額減税管理表」として記載しておりますが、「定額減税実績簿」「定額減税管理簿」「各人別控除事績簿」等と同様のものになります。
目次
定額減税管理表テンプレートについて
この定額減税管理表テンプレートで出来ること
- 各従業員の定額減税の金額を40名まで管理可能です。
- 扶養の人数を入力すれば、減税額を自動で表示します。
- 給与や賞与の源泉所得税を、毎回入力すれば減税額を自動で計算します。
Excelについて
この記事では、なるべく簡単に分かりやすく書いていますが、多少のExcelの知識が必要になります。例えば「セル」や「シート」といった言葉は使っています。
Excel初心者でExcelのこと何も分からないよという方は、500円でわかるエクセルという本を読みながらこのテンプレートを使うのがオススメです。500円とは思えないほど、分かりやすく1からフルカラーで書かれています。
またExcelのソフトが必要な方はマイクロソフトの公式サイトから購入すると、他のソフトも同梱されていて値段が高いです。
なので、まだExcel(エクセル)を持っていない方はAmazonや楽天からの購入がおすすめです。
定額減税管理表テンプレート無料ダウンロード
バージョンがExcel 2007以降なら基本的には使えます。
ご使用の環境(OS・ブラウザ等)によっては、デザインが適切に表示されない場合があります。調整してお使い下さい。
定額減税管理表テンプレートのダウンロードが完了したら
「E00009_fixed_amount_tax_reduction_record」というファイル名でダウンロードされます。
ダウンロードしたファイルを開いてください。(基本的にはダウンロードのフォルダに入っています)
定額減税とは
- 定額減税とは
令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税について定額による所得税の特別控除(定額減税)が実施され、税額を一定額減額する減税の方法で、1人あたり所得税30,000円、住民税10,000円の計40,000円が減税されます。特別控除の額は、本人が30,000円、同一生計配偶者または扶養親族1人につき30,000円です。
例:配偶者と子供2人の4人の世帯の場合は計120,000円(更に別で住民税は40,000円) - 定額減税の対象者
・国内に住所のある、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である方(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下である方)
※所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下
・令和6年6月1日時点で在職し、令和6年分の扶養控除等申告書を提出(甲欄)している従業員
※収入が無く、どなたかの扶養になっている場合は、定額減税対象の扶養者の定額減税額に加算されているため対象外です。 - 定額減税の計算方法
所得税:2024年6月から12月の7カ月間に1人あたり30,000円分を差し引きます。ひと月の所得税がそもそも30,000円に満たない場合には、翌月以降に繰り越して減税を行い、それでも余った場合は年末調整で還付します。
住民税:住民税決定通知書で減税額が通知されますので、それを賃金台帳に入力して反映します。(6月は徴収無し)
配偶者や扶養親族を漏れなく収集できるのであれば不要ですが、難しいようであれば「源泉徴収に係る定額減税のための申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」を使用して、情報を収集してください。
定額減税管理表テンプレートの入力の仕方
各入力箇所の説明
使う箇所は、上記の①~⑮です。毎月、背景色の無い列(⑥より右側)を入力していくことで計算が可能です。(⑤~⑨を参考に入力して下さい。)
※Excelのシートに記載されている番号とは異なります。
オレンジ枠が給与分の入力箇所で、緑枠が賞与分の入力箇所です。
①No.を入力
②氏名を入力
③配偶者と扶養親族数を入力
④月次減税額を表示
⑤控除した給与の支給日を入力
⑥控除前の源泉所得税の金額を入力(給与)
⑦控除金額を表示(給与)
⑧残控除金額を表示(給与)
⑨残控除金額を表示2(給与)
⑩控除した賞与の支給日を入力
⑪控除前の源泉所得税の金額を入力(賞与)
⑫控除金額を表示(賞与)
⑬残控除金額を表示(賞与)
⑭年末調整の控除額を表示
⑮備考があれば入力
①~②No、氏名を入力
まずは、No.と氏名を入力します。
※Noは社員番号等、任意の数字を入力してください。
③配偶者と扶養親族数を入力
各従業員の配偶者と扶養人数を入力してください。
※同一生計配偶者が源泉控除対象配偶者に該当しない社員については、年末調整等の際に提出している、扶養控除等申告書のA欄に配偶者の情報が記載されないため、情報を収集する必要があります。
④月次減税額を表示
減税額の(本人+配偶者と扶養親族数)×30,000円の計算結果が表示されます。
この金額が年間を通して源泉所得税から差し引いていく金額になります。
例)配偶者と扶養親族数が、配偶者と子供2人の場合は、本人30,000円+配偶者30,000円+子供①30,000円+子供②30,000円=120,000円が表示されます。
⑤控除した給与の支給日を入力
定額減税分を控除した給与の支給日を入力してください。
⑥控除前の源泉所得税の金額を入力(給与)
給与計算で算出された源泉所得税の金額(控除前)を入力します。
引かない場合や、まだ引いていない箇所は「0」を入力すると⑭の箇所が正確な数値が表示されます。
⑦控除金額を表示(給与)
⑥で入力した金額から、④で算出された社員の控除額から引ける分を引いた金額が表示されます。
控除前の金額より④の数値が大きい場合は、控除前の金額が表示されます。
⑧残控除金額を表示(給与)
④の月次減税額から⑦の控除金額を引いた、残控除金額が表示されます。
⑨残控除金額を表示2(給与)
翌月はExcel上の⑥や⑨等に入力をしていくと、その前の残控除金額からその月の控除金額を引いた残控除金額が表示されます。
⑩控除した賞与の支給日を入力
賞与の場合は、Excel上の㉔や㉗に入力すると、給与の箇所と同様に控除金額や残控除金額に反映されます。
⑪控除前の源泉所得税の金額を入力(賞与)
給与と同様に、賞与計算で算出された源泉所得税の金額(控除前)を入力します。
引かない場合や、まだ引いていない箇所は「0」を入力すると⑭の箇所が正確な数値が表示されます。
⑫控除金額を表示(賞与)
⑪で入力した金額から、残控除金額から引ける金額が表示されます。
⑬残控除金額を表示(賞与)
残控除金額から⑫の控除金額を引いた、残控除金額が表示されます。
⑭年末調整の控除額を表示
④の月次減税額から、各控除金額を引いた残控除金額が表示されます。
⑮備考があれば入力
何かメモがあれば入力して下さい。
毎月の入力箇所
毎月、背景色の無い箇所を入力していくことで計算していくことができます。
例えば、6月に赤い枠の箇所を入力したら、7月はオレンジ枠の箇所、8月は緑枠の箇所を入力といった形で、入力していくことで計算ができます。
※賞与の場合は一番右から2番目と1番目の箇所に入力してください。
以上を入力すれば、基本的に定額減税管理表は完成です。
定額減税管理表テンプレートの入力が完了したら
編集したExcelファイルを保存する
左上の保存マークをクリック(上書き保存)するか、
左上の「ファイル」→「上書き保存」か「名前を付けて保存」で保存できます。
編集したExcelファイルを印刷する
左上の「ファイル」→「印刷」で印刷できます。
このテンプレートはA3のサイズで設定してあります。
その他
Excelから使い方を見る
左下に使い方を見るというボタンがあります。
ここをクリックすると、この記事が開きます。
定額減税管理表テンプレートのまとめ
①No.を入力
②氏名を入力
③配偶者と扶養親族数を入力
④月次減税額を表示
⑤控除した給与の支給日を入力
⑥控除前の源泉所得税の金額を入力(給与)
⑦控除金額を表示(給与)
⑧残控除金額を表示(給与)
⑨残控除金額を表示2(給与)
⑩控除した賞与の支給日を入力
⑪控除前の源泉所得税の金額を入力(賞与)
⑫控除金額を表示(賞与)
⑬残控除金額を表示(賞与)
⑭年末調整の控除額を表示
⑮備考があれば入力
以上、定額減税管理表テンプレートの無料ダウンロードと、使い方をまとめてみました。
管理者の方が効率良く、仕事ができるように他にもテンプレートなどを作成したいと思っています。
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